縄文時代の歴史

2022/06/04

読書

『縄文時代の歴史』
山田康弘




縄文時代の考古学的な入門書かと思います。
本の最初にも書かれているように、簡単に「縄文時代」と呼ばれる範囲は時間的にも地理的にも広すぎて、本来ひとまとめに語ることはできません。それらを草世期・早期・前期・中期・後期・晩期の区分ごとに、適宜地理的な補足なども加えつつ、どのように文化・社会が変遷していったかを解説してくれています。

縄文本にありがちなロマンを極力省くよう気をつけて書かれているのを感じます。学問的な見方と言ってもいいように思います。また、十分に検証された「事実」のみを書くように努めながらも、「筆者の見解」などの形で研究者の一般的な認識や予想を補足してくれており、かなり学びやすい本になっていると思いました。

とはいえ相当量の研究のエッセンスを詰め込んだ文章であり、一読して内容が十分に理解できたとは全く感じません。まあまた気になったらその部分を調べに読み返します。

あと、この手の本には珍しく、電子書籍版が手に入るのはありがたいです。